中国人はなぜ女性同士で手をつなぐのか? 心理の根底にあるもの
- by沖野 真紀
- on 2013/12/12
中国に行くといつも気になることがあります。それは、女性どうし手をつないで、或は腕を組んで歩いている人が多いことです。
≪30代と思しき二人組≫
≪20代後半のお二人≫
JC(女子中学生)、JK(女子高校生)ならまだしも、日本だと社会人になって女性どうし手をつないで歩く人はすごく少数派ではないでしょうか。もし私が高校時代からの日本人の親友M子の手をいきなりつないだら…
「ちょっと何よ!気持ち悪い!(怒)」絶対そう言われます。
北京留学中、20代後半の中国人女性に家庭教師に来てもらっていたのですが、ある日レッスンが終わると大雨だったので、傘をさして駅まで送ったその時、彼女がさっと腕を組んできて「ドキーッ!」とした記憶があります。傘が1本しかなかったので相合傘でしたし、その方が濡れなくて良いのですが、30代後半にして女性に腕を組まれるというのはあまり経験のないことだったので、とてもびっくりしました。
彼女の方はどんな心理だったのでしょうか?それを探るべく中国人女性達にインタビューしたところ、
「手をつないだりすると、仲良しな感じを実感できて楽しい。」という答えが返ってきました。どうも手をつないだり、腕を組む行為には、自分達の仲の良さを再認識し「身内」意識を実感できる効果があるようです。
「腕組むと距離が近くなるから、しゃべりやすい。ひそひそ話も出来るしね。」
中国社会では、血のつながりはなくても「身内」と思える親密な関係を築いた相手に対しては非常に親身に接してくれます。相手に困ったことがあれば一生懸命助けてくれますし、逆に困った時には全力で頼ります。
これには、中国は歴史的に政治が不安点な時代が長く、油断すると命すら危ないという中、身内で団結しなければ生きていくことが出来なかったという背景が影響しています。身内がいかに重要な存在だったかは、想像に難くありません。
そうした記憶は受け継がれ、今も人々の心理の根底には残っています。この身内意識を理解していれば「中国では広告よりも口コミ、そして身内の口コミが一番パワーがある」ということも頷けますよね。